暗黒ギフト2
☆☆☆

あの先生は女子生徒に興味があるらしい。


そんな噂を耳にしたのは数ヶ月前のことだった。


好みのタイプは隣のクラスの女の子。


名前はたしか……りょうこちゃん。


あれは誰が言っていた噂話だったとろうか。


誰もそんな話し信じていなかったし、今でも信じていない。


だからすぐに忘れてしまった。


でも、もし、万が一にあの噂が本当で、担任の先生がりょうこという名前の生徒のことが好きだったとしたら……?


相手にされなかった逆恨みでなにか行動を移すかも知れない。


例えば相手をひどいめに遭わせるとか、それこそ、殺してしまうとか。


そこまで考えて海斗は盛大なため息を吐き出した。


今教卓に立って授業をしている担任教師の顔をジッと見つめる。


人の良さそうな下がった眉毛に、笑ったらシワがよる目尻。
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