暗黒ギフト2
☆☆☆

それから数日間は何事もなく過ごすことができたけれど、海斗は自分の中に生まれた疑念を振り払うことができずにいた。


この疑念を晴らすためには亮子を追い詰めている犯人を見つけ出すしかない。


そう思っていた頃、梓から連絡が入った。


『予知夢を見たよ』


そんな件名で送られてきた内容は、今日の放課後学校前の交差点で交通事故が起こるというものだった。


ただ、今回も被害者の顔を見ることはできなかったので、亮子がからんでいるかどうかはわからないとのことだった。


海斗はキッズスマホを握りしめて学校へ向かい、さっそく健にそのことを相談した。


「学校の目の前か」


健は顔をしかめて呟く。


学校前に交差点があるということで、毎日のように先生が立って見守りをしてくれている。


けれど今日はちょうどその見守りがない日なのだ。


先生たちの会議があるため、代わりに地域の大人たちが出てきてくれるはずだ。


「そっか、今日は先生たちは職員室に缶詰なんだ」


海斗はポツリと呟いた。
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