暗黒ギフト2
担任が職員室から出られない日に事件が起こるのなら、担任が黒幕ということはないかもしれない。


一瞬そんな思いがよぎったけれど、前回までと同じように金を積んで誰かに頼んでいる可能性もあるのだ。


やっぱり油断は禁物だった。


授業が終わると2人はすぐに教室から飛び出した。


今日は大きな会議がある日なので、担任も2人を引き止めるような時間はなかったようで、そのまま職員室へと戻っていった。


いち早く交差点までやってきた2人は息を切らして立ち止まった。


少し早く授業を終えた下級生たちがぞろぞろと横断歩道を渡っていく。


みんな教えられたとおりに左右を確認し、手を上げて渡っている。


その様子を見て海斗はホッと息を吐き出した。
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