暗黒ギフト2
☆☆☆

「海斗! いつまで寝てるの!?」


そんな声が聞こえてきて海斗は慌てて飛び起きた。


ベッドの上で上半身を起こした状態で、キョロキョロと周囲を見回す。


「あれ? ゲームセンターは?」


寝起きのかすれた声でそう呟くと、起こしに来た母親から「なに言ってるの」と、呆れ声が帰ってきた。


ついさっきまでゲームセンターで遊んでいた夢を見ていたから、まだ寝ぼけているのだ。


そうか、さっきのは夢だったのか。


せっかくいい感じでゲームが進んでたのにな。


夢の中で格闘ゲームをしていた海斗は次々と敵を倒して無敵のプレイヤー扱いを受けていた。


ゲームを観戦していたギャラリーからも大きな拍手を貰ったのだ。


そのシーンを思い出して思わずうっとりしてしまう。


が、そんなことをしている時間はもう残されていなかった。


昨晩もテレビゲームをしすぎて寝る時間が遅くなり、すでに登校班が出発している時間帯なのだ。


「やばっ!」


海斗はようやく学校へ向かう支度を始めたのだった。
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