暗黒ギフト2
それなら昨日海斗は3人からお礼を受け取るようなことはしていないことになる。


「うん。だって、海斗くんと健くんに話しかけられなかったら、私達車に轢かれてたもん」


その言葉に一瞬頭の中が真っ白になり、次にジンッと胸の奥が熱くなった。


そんな風に考えてくれているなんて、考えてもいなかった。


「でもそんな、話しかけただけだし……」


こうして感謝されると途端にくすぐったくて声が小さくなってしまう。


今までは明らかに助けたとわかりやすかったから褒められてきたけれど、今回は少し違う。


それなのにちゃんと見てくれていたことが嬉しくてたまらない。


「健くんにもさっきあげたの。私達3人で作ったんだよ」


ということはなにか手作りのものらしい。


紙袋を受け取って顔に近づけてみると、甘いいい香りがしている。


クッキーとかだろうか。


女子生徒から手作りおやつをもらうのは人生出始めてで、心臓がドキドキした。


「あ、そうだ、自己紹介まだだったよね?」


そう言われて紙袋から顔を上げる。
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