暗黒ギフト2
☆☆☆

「こんなに沢山作ったのかあいつら」


昼休憩の時間になってから、海斗と健はもらったお菓子を机に並べていた。


想像通りそれは手作りクッキーだったけれど、大きなクッキー缶一箱分くらいの量になる。


それが2人分だから机の上にはクッキーの山ができていた。


少し味見をしてみたけれど、ほどよい甘さでサクッと軽くて美味しかった。


「これ、梓ちゃんに持っていくか」


そう提案したのは健だった。


海斗の脳裏にベッドの上で横たわる華奢な少女の姿が思い浮かぶ。


鈴のような声にきめ細やかできれいな肌、そしてクリクリとした大きな目。


細すぎる体のせいでとても同級生とは思えなかった。


「そうだな。持っていこう」


自分の予知夢がちゃんと人を助けている。


それがわかればきっと梓も救われるはずだ。


大量のクッキーを紙袋に戻している様子を、メガネ女子はジッと見つめていたのだった。
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