暗黒ギフト2
「そっか、そうなんだ」


梓が高揚しているのがわかった。


青白い頬がピンク色に染まり、長いまつげが微かに震える。


こういう風に人から感謝されていると知るのは、きっと初めてのことだったんだろう。


目にはうっすらと涙が浮かんで見えた。


「2人共ありがとう。私こんな嬉しいプレゼントを貰ったのは初めてだよ」


そう言って紙袋を抱きしめる。


部屋の中には沢山の高級品が飾られていて、その中にはプレゼントも混ざってるはずだ。


けれど梓は同級生の手作りのクッキーを大切そうに抱きしめている。


そんな梓を見ていると胸の奥が熱くなってきて、海斗まで泣いてしまいそうになる。


「お嬢様、あまり体を起こしていてはいけませんよ」


この空間に水を指すような声が聞こえてきて視線を向けると、いつの間にか黒スーツの男がドアの前に立っていた。
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