暗黒ギフト2
いつからいるんだよ。


と、文句を言いそうになったけれど、元々梓に使えているのでそんな文句も言うことができない。


「そうだね」


梓は男の言葉に素直に従って布団に潜り込んだ。


あまり長居しないほうがいいかと思ったが、梓が海斗の腕を掴んできた。


その指先の細さに心臓がドキンッと鳴る。


ここへ来てから海斗の心臓は少しバカになってしまったようだ。


「な、なに?」


「もう少し、ここにいてくれる?」


その問いかけに断る人なんてきっとこの世に存在しない。


海斗は何度も頷いた。


「もちろんだよ」


すると梓は嬉しそうに微笑む。


まるで天使や女神のようだなと海斗は思う。


こんなにきれいな子を見たことがなかった。
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