暗黒ギフト2
「どうしたの?」


思わず梓に見とれていたので、ハッと我にかえる。


「い、いや。女神みたいだなって思って」


口走り、慌てて自分の口を両手で塞ぐ。


なんてこと言ってんだ俺!


健も呆れた表情で海斗を見ているが、助け舟を出すつもりはないらしい。


さっきから自分の分のクッキーをポリポリとかじっているだけだ。


「女神か……。私合ったことがあるよ」


「え?」


「女神さまに」


突然の言葉に海斗はキョトンとして梓を見つめる。


梓はいたずらっ子みたいに微笑んで海斗を見ていた。


冗談だろうか?


それにしても突然こんな冗談を言うものだろうか?


判断できずにいると、健が口を開いた。


「いつ?」


「結構前だよ。予知夢を見るようになる前だった」


梓は思い出すように目を閉じる。
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