暗黒ギフト2
学校で海斗に助けられたときにはこんな特別な関係になれるとは思っていなかった。


でもよかった。


あの時海斗に助けられて、それをずっと覚えていて。


海斗ならきっと、悪い予知夢を変える手助けをしてくれると信じていたのだ。


「ごめんね、2人には私と女神様との約束に巻き込むことになって」


「そんなの気にしなくていいよ。俺たち結構楽しんでやってるんだから」


海斗が笑いながら答える。


これは嘘じゃなかった。


人の役に立つことは嬉しいことだ。


おかげで2人の学校内での評価も高くなっている。


でも……。


今の梓の話しを聞く限りでは、梓の命の少しだけ伸ばしてもらえただけのように聞こえた。


ということは、梓はもうすぐ……。


そこまで考えて強く左右に頭をふって考えをかき消した。


そんな未来、どんな悪い予知夢よりも最悪の未来じゃないか。


想像することだって恐ろしい。


きっと女神は梓に大量の猶予を与えてくれたに違いない。
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