暗黒ギフト2
☆☆☆

秋吉家から出た海斗と健は無言で歩き始めた。


頭の中では梓の話しが何度も繰り返されている。


「女神様って本当にいると思うか?」


横を歩く健に突然そう聞かれて一瞬立ち止まる。


再び歩き出しながら「さぁ……」と曖昧な返事をした。


でも、予知夢という非現実的なものがあるくらいだから、女神様も実在しているのかもしれない。


梓の予知夢がなければ絶対に信じなかったところだけれど。


「梓ちゃんの話しは信用したいよなぁ」


健は歩きながら両手を頭の後ろで組んで呟く。


その仕草が大人っぽくて海斗は少し笑った。


「もちろん。あの子が嘘をつく必要なんてないだろ」


それに海斗は信じると言ったんだ。


そう言ったからには信じたい。


「俺たちも死ぬ時になったら女神様に会えるのかな」
< 46 / 176 >

この作品をシェア

pagetop