暗黒ギフト2
「確かにビックリしたけど、気にしてないよ。私ももうちょっと空気読めばよかった。って、それは今もか。起こしちゃったもんね」


そう言って両手を合わせてくる。


海斗は慌てて左右に首を振った。


「いや、全然気にしてないし、少し寝たから平気」


「そっか。それならよかった」


それからなんとなく無言になった。


遊んでいる友人らの笑い声だけが2人を包み込んでいて、なんとなく癒やされる空間だ。


こうして無言でいても気まずくならないのはいい関係かもしれないな。


「深谷くんって、人気者だよね」


不意にそんなことを言われて海斗はまばたきをした。


「は?」


「最近特に。色々な人を手助けしてて、この前なんてお礼を貰ってたでしょう? あれ、手作りクッキー?」


どうしてお礼の中身を知っているんだろう。


海斗が返答できずにいると「偶然彼女たちが話しているの聞いちゃったの。クッキー作るんだって、張り切ってた」と、説明してくれた。


なるほど。
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