暗黒ギフト2
「うん。そう、その子」


そう言うととたんにメガネ女子の表情が曇った。


うつむき、笑顔が消える。


「そっか、秋吉さんか」


「どうしたんだよ?」


「ううん。なんでもない」


しかしその表情はなんでもないようには見えなかった。


「なんだよ、言えよ」


せっついてみるとメガネ女子は少し苦しそうに微笑んだ。


体調でも悪いのだろうかと心配したけれど、自分も梓のことを考えて苦しくなることがることを思い出す。


きっと、メガネ女子も同じように梓のことを考えているのだろう。


海斗が少し外れた想像をしている間に、メガネ女子は再び視線を下げていた。


「病気なんだよね? 秋吉さん」


「あぁ」


「こんな風に考えるのって本当に最低だと思うけど……私秋吉さんが羨ましい」


「羨ましい?」


予想外の言葉に海斗は目を丸くする。
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