暗黒ギフト2
☆☆☆

男に学校まで送ってもらったことで、登校班よりも早く教室にたどり着くことができてしまった。


まだ人数の少ない教室の席につき、男が差し出して来たものを手のひらで弄ぶ。


男から聞いた計画を何度も頭の中で思い出すけれど、そう簡単にいくものかどうかあやしかった。


けれど、今の自分にできることといえばこれくらいのことだった。


今回の任務の重大さに思わずため息が漏れてしまう。


「今日は一段と悩んだ顔してるな」


後ろから声をかけられて振り向くと、そこには友人の西村健が立っていた。


梓が見た悪い予知夢を一緒に解消している仲間だ。


ちなみに、予知夢が書かれた手紙が黒い箱に入れられて届くことから、健が『暗黒ギフト』と名付けたのだ。


「今回はちょっとヤバイかもしれないんだ」


海斗の言葉ですべてを察したように健が頷く。


そして2人は場所を変えて人の少ない廊下へと移動した。
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