暗黒ギフト2
どうして元気で生活できているメガネ女子が、梓のことをうらやましがるのか検討もつかなかった。


「最低だよね、私」


そう言い、勢いよくベンチから立ち上がる。


その目には涙が浮かんでいて、海斗はハッと息を飲んだ。


そのまま立ち去ろうとするメガネ女子の腕を掴んで引き止めた。


「どうしたんだよ。なんで泣いてる? 梓のことが羨ましいって、どうして?」


わからないことだらけで、質問ばかりになってしまった。


だけどこのモヤモヤとした感情のまま帰すわけにはいかなかった。


「私は……」


メガネ女子が一瞬言葉をつまらせる。


しかしまっすぐに海斗を見つめていた。


目には涙の膜がはっていて、きっと海斗の顔が歪んで見えていることだろう。


「私は深谷くんのことが好きだから!」
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