暗黒ギフト2
そして振り返る。


梓が入院している5階の窓へ視線を向けるが、どこに部屋にいるのかわからなかった。


どこ部屋もピシャリとカーテンが閉められていて中の様子はわからなかった。


今頃健は梓の病室にいるんだろうか。


どんな会話をしているんだろうか。


想像するとなんだかモヤモヤとした気持ちになる。


どうして今自分は梓の隣にいないんだろう。


そう考えてしまう。


海斗はそんな気持ちを振り払うように、大股で病院から遠ざかったのだった。
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