暗黒ギフト2
☆☆☆

登校日になると海斗は腑抜けのような顔で学校へ向かった。


今日家を出たときも暗黒ギフトは届いていなくて、胸には不安が広がるばかりだ。


それでも病院へ行く勇気のない自分に嫌気が指してきてしまう。


「梓ちゃん、お前が来ないことを気にしてたぞ」


5年3組の教室に到着すると同時に、先に登校してきていた健がそう声をかけてきた。


挨拶より先に梓の名前を出されてビクリと体が震える。


「うん、そっか……」


うつむいて自分の席へ向かう海斗に健は険しい表情を向けた。


「なぁ、俺だけが行っても意味がないだろ? お前が行かなきゃ意味がない」


「意味がないって、どうして?」


その質問に健はグッと言葉を飲み込んだように見えた。


なにかを知っているのに、隠している。


そんな雰囲気を感じて海斗は眉間にシワを寄せる。


「なんだよ、なにか隠してるのか?」


「隠してるわけじゃない。ただ、俺の口からは言えないだけだ」
< 89 / 176 >

この作品をシェア

pagetop