暗黒ギフト2
「なんだよそれ」


一番の親友である健の口から言えないことなんて、今までなにもなかった。


益々わからなくて首をかしげる。


「とにかくさ、お見舞いに行ってやれよ」


「わかってるよ」


わかっているけれど、勇気が出ないんだ。


また梓の弱った姿を見ないといけないと思うと、胸が苦しくて仕方ない。


そんな海斗の気持ちが理解できるのか、健が肩をバンバンと叩いてきた。


「一番つらいのは梓ちゃんだ。そんな梓ちゃんがお前に会えなくて寂しいって言っているんだ」


その言葉にムチで打たれたような衝撃を受けた。


病気で苦しんでいるのは梓本人だ。


海斗じゃない。


そんな単純なことに今まで気がつくことができなかったのだ。


「あ……俺……」


海斗は小刻みに震える手を自分の口元に当てた。


今までなにをしてきたのだろう。
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