暗黒ギフト2
☆☆☆

「おい、どうしたんだよその顔」


5年3組の教室に入るとすぐに健がやってきて、そして殴られた頬に気が付いた。


外で殴られて冷やすこともできずにここまで来たから、少し腫れてきているみたいだ。


「なんでもない」


海斗は適当に返事をして、カバンから暗黒ギフトを取り出した。


それを見た健がハッと息を呑むのが伝わってきた。


久しぶりに届いたギフトに目を丸くしている。


特に健は毎日のように梓のお見舞いに行っているから、海斗以上に驚いた表情をしている。


「そっか、また予知夢を見たんだな」


健が声を落として言う。


海斗は頷き、2人で教師を出た。


人の少ない廊下の隅まで移動して、ギフトを開ける。


中にはいつもどおり手紙が1枚入っていて、開いてみると丸っこい可愛い梓の文字が見えた。


しかし、そこに書かれているのは物騒なことだった。
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