暗黒ギフト2
☆☆☆
5年3組の4時間目の授業は算数だった。
先生の話を聞いているとだんだん眠くなってくるのが健の通例だったが、今日だけは違った。
大切な用事がある今日はしっかりと目を見開いて黒板の文字を見つめていた。
だからといって先生の言葉を聞いているわけではない。
頭の中を占領しているのは、これから家庭科室で起こる火事のことだけだった。
学校内での火事は下手をすれば大きな火災に発展するかもしれない。
もしも消す時間が少しでも遅れればケガ人だって出るかも知れない。
今回の任務は事故を防ぐことと同じくらい、いやソレ以上に重要なことだと考えていた。
健はチラリと黒板の上に設置されている壁掛け時計に視線を向けた。
授業開始から10分ほどが経過している。
家庭科の授業もそろそろ生徒たちがなにか作り始めている頃かもしれない。
よし、今だな。
健はタイミングを見計らって「いてててててっ」と、自分のお腹を押さえた。
苦しそうに眉間にシワを寄せてアピールしていると、すぐに先生が気が付いてくれた。
「どうした西村、大丈夫か?」
5年3組の4時間目の授業は算数だった。
先生の話を聞いているとだんだん眠くなってくるのが健の通例だったが、今日だけは違った。
大切な用事がある今日はしっかりと目を見開いて黒板の文字を見つめていた。
だからといって先生の言葉を聞いているわけではない。
頭の中を占領しているのは、これから家庭科室で起こる火事のことだけだった。
学校内での火事は下手をすれば大きな火災に発展するかもしれない。
もしも消す時間が少しでも遅れればケガ人だって出るかも知れない。
今回の任務は事故を防ぐことと同じくらい、いやソレ以上に重要なことだと考えていた。
健はチラリと黒板の上に設置されている壁掛け時計に視線を向けた。
授業開始から10分ほどが経過している。
家庭科の授業もそろそろ生徒たちがなにか作り始めている頃かもしれない。
よし、今だな。
健はタイミングを見計らって「いてててててっ」と、自分のお腹を押さえた。
苦しそうに眉間にシワを寄せてアピールしていると、すぐに先生が気が付いてくれた。
「どうした西村、大丈夫か?」