秘密育児なのに、不動産王は私と結婚する。
vol.2
とにかく、廉の前で電話に出た。
「もしもし」
「望月さんですか」
「はい」
「空くんが話したいと言ってた」
「はい」
私はロボットのように、「はい」と答えるしかありません。
電話の向こうは空の可愛い声になった。
「お母さん、今日はちゃんとご飯食べたよ。大嫌いなニンジンまで食べちゃったよ」
「すごい、いい子だね」
私はそう言いながら、廉の表情を観察していた。その後どうやって廉と説明するか考えなければならない。
「お母さん、会いたい。今日は仕事が終わってから病院に来られますか?」
廉は夕方に山に登ると言っていますが、今日は山を下りることができるかどうか分かりません。
「すみません、今日は時間がありません。明日はいいですか。明日はきっと...」
「うん。わかった」
空の声は少し落ち込んでいた。
空を楽しませたい。
「明日はプレゼントを持って行くから、何がほしいの?」
「プレゼント、本当?」
「うん、空は何がほしいの?」
「カブトムシ!」
空はカブトムシが大好きです。夏になると、幼稚園の他の子供のお父さんは子供と一緒にカブトムシを捕まえるので、私も空と一緒に捕まえてみましたが、捕まえられませんでした。
空は他の子のカブトムシをうらやましく見るしかない。
「これは…」
難しすぎ…
「冗談だよ。お母さん、いつものケーキを持ってきてくれないか。ケーキが食べたいんだけど」
「はい、明日ケーキを持ってきます」
10分後、電話を切ったので、私もスマフォを置いた。
廉はまじめな顔をして私を見ていた。
「この子、誰?」