秘密育児なのに、不動産王は私と結婚する。



午後、廉から電話がかかってきて、閑院財団本社に行かせてもらいました。


今度の入社はとても順調で、森山さんは会社の前で待っていて、直接エレベーターに連れて行ってくれました。


「君が間違った決定だと信じていることを早く認識すべきだ」


森山さんは愚痴をこぼした。


「すみません」


恥ずかしそうに笑った。


「社長がそんなに好きだから、部下としては仕方がない。琉菜さん、九尾狐妖ですか」


「違うよ」


「まあ、今度は社長を悲しませないでほしい。あの時、ぼくがどうやって来たのか、まるで地獄の中にいるようだ」


「そんな大げさなことはないよ」


「社長が本当に怒っているのを見たことがありません。超怖いです」
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