こいろり!
「あ、もしかして。泰良も出かけるの?誰とー?」
「分かった!泰良もデートだろ?」
利瑛の問いに赤司の言葉が続く。
「………………違う」
「あ、最近 噂の…えーと、華ちゃんだっけ?」
「なーんだかんだでさ!文句言いながらも、華ちゃんに付き合ってやってるよなー」
否定したところで関係なく"華花"が出てくるから、
「違うっつってんだろ!!」
思わずカッとなるのにスルーされ、2人はケラケラと笑いだす始末。
「でもさ、やーっぱ前より華ちゃんに優しい感じだよな?なんでも言うこと聞いてやってさー」
「それって、無意識でも相手に惹かれるってことじゃないの?」
なんだよ、何も知らねーくせに。
俺の葛藤も、華花の事情も何にも分かってねーのに、勝手に話進めやがって。
「まぁ、ねーか。あんな小っちゃぇ子供相手に本気で惚れるなんてさ」
確かに顔は可愛いけどさー、なんて続けられる赤司の台詞に一瞬息が詰まる。
「えー、そんな小さいのー?」
キョトンとあどけない顔をすら利瑛に、恥ずかしいという感情を抱いてしまったのは事実。
「あー……、あいつ来月バンコク行くんだよ。だからさ、ちょっと付き合ってやんのなんて餞別みたいなもんだろ?」