こいろり!
「ったく。お前は小学生だから半額料金なんだよ」
「難しいのね。カードでピッて乗れるのかと思ったわ」
「あぁ?そのカードじゃ無理だろ。あと、危ねーからそれ早くしまえよ!お前は今までどうやって生活してきたん……」
と、ここまで言いかけて。このお嬢様は周の運転で周に守られて行動していたのだと頭の中で納得する。
「ひどいわっ!そこで諦めたように大きな溜め息を吐くなんて!!」
「だってさー。どうすんだよ、こんな世間知らずの非常識レベルで。こんなんで俺の……」
「……泰良の?なにかしら?」
目をパチパチとさせて下から覗き込んでくる華花が可愛くて、心臓が一瞬止まるかと思った。
俺の──?俺、今何を言おうとした?
くそっ、熱が上がる頬を見られないようパッと顔を反らす。
「んなっ、なんでもねーよ!」
「分かったわ!泰良の未来のお嫁さんね?」
「ふざけんなよ?違うに決まってんだろ?この脳内お花畑が!!」
ちっ。何で俺はこんな自分の胸元までしか身長がねーチビに心振り回されてんだよ。
怒鳴ったところで、華花は楽しそうにクスクスと笑うから、まるで俺の方が子供みてーじゃねーか。