こいろり!
「……あれだ!委員長の姉貴??」
「はじめまして~。髪の色ですぐ分かったぁ!この間は上級生に絡まれてたうちの弟を助けてくれたみたいでありがとね」
「いや、あれはどっちかってーと上級生がありえなかったつーか」
「あの子は気弱いから狙われやすくてさー、ちょっとは意気がれって言ってるんだけどね。でもマジで赤司くんと並ぶと目立つねぇ、高校でも結構話聞くよ~。いい意味じゃないけどねー」
キャハハと彼女が笑い声をあげる。
委員長とは正反対な感じで派手でギャルっぽくて軽そうだな。家に遊びに行った赤司に声かけたのが納得出来た。
……にしても、出てるとこしっかり出てるし凄げーな。
思わず華花に視線を戻して、胸のぺったんこさを確認して溜め息が漏れた。
「俺らこれから、映画行くんだ。華ちゃんは?」
「いいわね!デートで映画なんて素敵だわ!ねぇ、泰良。私も映画観たいわ!」
赤司の言葉に華花が両手を合わせて目をキラキラとさせて、俺に顔を向ける。
「おい、お前。買い物は?今日は兄貴と璃香子のプレゼントって……」
「この子、泰良くんの妹?お兄ちゃん大好きなのかな?可愛いーねー」
俺の言葉を遮ったのは、悪気の無い委員長の姉貴の台詞で。この後、華花があからさまに不機嫌になったのは言うまでもない。