こいろり!
「これが加賀美の女なの?嘘だろ?小さくね?」
「だって一緒にいたぜ」
「確かに顔は可愛いけどさー、ちょーっと年齢的にヤバくねぇ?」
「スマホ借りるねー、加賀美に連絡してあげるからー。て、これ最新型じゃん!?」
趣味の悪い赤色の冷たいソファに座らされて。私を取り囲む、知らない男の人達がギャハハハと下品な笑い声を上げた。
舐め回すように目を向けられて、ニヤニヤと気持ち悪い手が肩に回されるから怖くて堪らない。
この人達は、泰良のお友達なんかじゃなかったんだわ。
「…………や、やめーー…」
声が震えて大きな声が出す事なんて出来なくて、泣きたくなんてないのに視界が涙でぼやけていく。
「ここ、防音だから叫んでも外には聞こえないからねー」
毛糸の帽子を深く被った男の人がにっこりと笑って、私の顎を掴んで覗き込んできた。
「ひっ、………や、やだ…やだやだー」
気持ち悪くて背筋がゾッとする。
怖くて怖くて堪らない。どうして、私がこんな目に合わなきゃいけないの──?
「……ご、ごめんなさい、ごめんなさいっ…、ごめ…」
私が悪かったわ。ちゃんと周の言うことを聞いていれば良かったのに。
一緒に並ぼうと言われたのに、泰良の側を離れなければ良かったわ。