こいろり!
華花の顔は真っ青で、大きな瞳からボロボロと涙が溢れ落ちているのがぼんやりと見えた。
ふはっ、なんて顔してんだよ。早く、あの涙を拭ってやんねーと。
もうすぐだ、もうすぐ華花の助けがくる。
もうちょっとだから、ごめんな華花──。
「警察だ!!何やってんだお前等ぁ!?」
勢いよく扉が開けられたと同時に、何人もの警察官が入ってきた。
「女の子いました!無事です!」
警察かぁ。警察なんて大っ嫌いだけど、助かったなぁ。
俺を取り囲んでいた奴等が、慌てて離れてずらかろうとするけど、何人か逃げたか……?
「華花お嬢様!!大丈夫ですか??」
周の声も遠くで聞こえた。
良かった、華花が無事じゃねーけど無事で……。
「た、泰良ぁ……泰良は違うのよ」
華花の声も遠くに聞こえた。
こいつ、絶対、鼻水出てる。なんて、ホッとしたところで全身に激痛が走る。
「…………ぐっ、」
頭までチカチカしてきた。やばい、意識飛ぶ───。