こいろり!
16.少年の決意
「全身打撲に鼻の骨折、肋のヒビとか、ダッセー!!」
病院のベッドで包帯ぐるぐる巻きの俺を見て、赤司が笑い声をあげた。
「あぁ?うっせーよ!個室じゃねーんだから静かにしろよ!それに、お前、助けにも来なかったじゃねーか?」
「いやー、泰良が1人で行くってきかねーからさぁ。誰のためだったのかなぁ?」
ベッド脇の丸椅子に座る赤司が、今度はニヤーと顔を緩ませて俺に目を向けてきた。
俺は意識飛んで記憶がないけど、警察が入ってきた後、大変だったみたいだ。
華花を拐った奴等は女児監禁とその他の前科で逮捕され鑑別に送られるんじゃね?と赤司が言っていた。
俺をボコったのはただの喧嘩で処理はされるらしい。俺今回殴ってねーのに、一方的にやられただけなのに。
赤司の言う通り、鼻の骨折、肋のヒビ、全身打撲をおった俺は救急車で病院に運ばれた。
昨日は怪我から発熱したけど、今朝には熱は下がって。現在、鼻はギブス、肋はバンド固定、点滴で鎮痛剤を入れられて絶対安静を強いられている状態だ。