こいろり!
「泰良っ!熱、下がったのね!良かったわ!!」
勢いよく扉が開いて、今度は華花の叫び声が病室に響き渡る。と同時に、走って部屋に入ってきてベッドで半分身を起こしている俺に抱き付いてきた。
「………痛っ、……………………」
「まぁ、大変!たくさん、怪我してるわ!大丈夫かしら??」
華花は眉を下げて目に涙を溜めて、心配そうに俺の頬に手を触れて覗き込んでくる。
けど、至るところに内出血をしている俺は、飛び付かれた衝撃の痛みで声も出ない。
………………………っぐ。
感動の再会どころじゃない。こっちは痛ってーんだよ、勘弁しろよ。顔も怪我してんだよ!!
華花の後ろには周が立っていて。周の野郎、絶対俺の状況に気付いてるのに止めようともしない。
「ごめんなさい、私のためこんな酷い目にあって!!」
「……………だ、抱きつくんじゃねー…よ」
やっとの思いで声を出せば、今度は頬をぷぅと膨らませ眉をつり上げる華花の姿があった。
「ひ、酷いわ!昨日は面会出来なくて、私、ずうっと心配していたのよ!……どうせ私はまたまた一緒にいた近所のガキよ!もう、泰良なんて知らないわ!」