こいろり!
「あら、まぁ!そうなの?」
「泰良?え、あんた華ちゃんのこと好……」
美魔女と母ちゃんの声が重なった時──、
「泰良!!私のこと、好きなの!?」
リビングの扉が勢いよく開かれて、華花の声が耳に入ってきた。
「………………は?」
その声の方を向けば、華花とその後ろには璃香子と兄貴がしゃがみ込んでいるから。一瞬 思考が停止して体がピシリと固まった。
「泰良、今の本当なの!?」
そのまま部屋に走って入ってきた華花が、俺の座るソファの前に立って両手を掴んできた。
「晃良……と、璃香子ちゃんまでどうして?」
「すみません、今日は泰良くんの退院おめでとうパーティーの予定を華ちゃんと計画立てるのに遊び気きてて……」
母ちゃんの驚く声と、璃香子の少し申し訳なさそうな台詞が順番に聞こえてくる。
「ねぇ、私のこと恋愛的な意味で好きって言ったわよね?」
目の前には、頬を赤らめて目をキラキラとさせる華花。
「うわー、マジかよ、泰良。仲良ーとは思ったけどマジなのかよ?ヤッベーな、手ぇ出すのはまだにしろよ!?」
「泰良さま!泰良さまの思いは、罪悪感から相手を好きになってしまう補償行為というものがありまして、勘違いだと思われます!一時の感情に流されずに現実を……!!」
面白そうに笑う兄貴に、顔面蒼白状態の周がなにやら騒いでいる。けど、頭がフリーズ状態の俺は、コイツらの言ってる言葉が理解できない。