こいろり!
なんだこれ?唖然と開いた口が塞がらない。頭がグラグラする。言葉が出ない。
俺はただ無言のまま、首を大きく左右に振った。
「いいえ、確かに好きって言ったわ!聞いたもの、この耳で!!ねぇママ?」
「あら、華花ったら盗み聞きしてたの?そうね、言ったわね」
「………」
「嬉しいわ!!」
「華花、良かったわね!」
ふふっ、と笑う楽しそうな親子の姿を見て、何かがブチ切れる。
「……ち、がう。おい、美魔……じゃくて、華花の母ちゃん、知ってただろ?華花達がそこで聞いてんの!?」
「泰良!!あんた華ちゃんのお母さんになんて口聞いてんの!?」
母ちゃんに頭を叩かれて、完全に怪我の治ってねー俺の体に痛みが走る。
痛てぇ、夢じゃねーのかよ。
「だってぇ、華花危ない目に合わせたんだし。ちょっとくらい意地悪してもいいじゃない?うふふっ」
全く悪びれない様子の美魔女が、ペロリと舌を出してにっこりと俺に目を向けた。まさに悪魔の微笑み。
親の前での公開告白を本人だけじゃなく、兄貴と璃香子までに聞かれるなんて。顔から火が出る程 恥ずかしくて、握った拳ががプルプルと震える。
「……違げーし、言ってねーし。あんなの誘導尋問されただけだし!お、お前みてーなチビ好きじゃねーよ!勘違いすんなよ!!」