こいろり!
「……そうだよ。華花のことが好きだから」
「こっちみて、顔が真っ赤よ?」
「うるせーなぁ」
「だって、泰良が私のこと好きだなんて信じられないわ!」
「お前さー、私のこと好きとか何度も言い過ぎじゃね?」
「だって、だって、夢みたいなんだもん!」
「あー …、本当は華花のことを考えて、まだ言うつもりなんてなかったんだよ。俺がもう少しちゃんとしてから……」
「泰良!私も大好きっ!!」
話の途中で抱き付いてくるから、そのまま後ろに倒れ込んだ。完治していない肋に衝撃が走ったけど、胸がむず痒過ぎて痛みなんて忘れてしまいそうになる。
「人の話聞けよ!ったく」
「好き、好き、大好き!!」
大きな瞳にじんわりと涙が滲んで、笑顔を見せる女の子が可愛くて、堪らなく愛おしい。
その可愛らしい頬に、そっと手を伸ばして触れると。ヤバいくらいに胸が締めつけられて、どうにかなっちまいそうだ。
あぁ、こいつを見てると年齢の事なんて、どうでもよくなってくる。
「マジで降参だわ。俺も子供だけどさー。俺の趣味 疑われる前に、早く大きくなれよチビ」
「えぇ、分かったわ!」
俺の小さなお嬢様が、幸せそうに笑った──。