こいろり!
「あ!あの絵もね、華ちゃんが描いたんだよ!」
「そりゃ、見りゃ分かるけど」
「華ちゃん、泰良くん退院したらお祝いしたいって張り切っててさー」
「別に、そんなんいーのに」
「あはは、表向きは退院&クリスマスパーティーになってるけど、華ちゃんのお別れパーティーでもあるからね」
「あー……、そっか」
「あとー、泰良と華ちゃんの両思い祝いでもあるんだよなー?」
「うるせーよ!違うっつってんだろ!!」
ニヤーと口を緩める兄貴が話に割り込んでくるから、カッとなって叫んじまったけど。
周以外の奴等からは微笑まい視線を注がれるから、過剰し反応しちまう俺が子供みてーじゃねぇか。
「上手く、回せないわ……」
「お嬢様、気を付けて下さいね」
華花の方にチラリと目を向けると、こっちの話なんか全然聞いてないねーし。
「あぁ?ちゃんと火が通ってからじゃねーと、外れねーだろ?ほら、かしてみ?」
「ほらほら、そこイチャつくなって。周さん隣からガン飛ばしてっから」
「あぁん??イチャついてねーよ!」
放っておけなくて華花の隣に腰を下ろすと、また兄貴が絡んできやがった。ったく、これだから酔っぱらいはタチ悪りーな。
「なんか丸くないけど、回せたわ!!」
華花が歪な形のたこ焼きに目を輝かせるから。やっぱガキっぽいけど可愛いな、なんて自分の顔が緩んでいくのが分かった。