こいろり!
こいろり! after story
少年に同情
はっ、華花さまと泰良さまがいない!!!
私とした事が、晃良さまにお酒を(無理やり)勧められて断りきれず、お嬢様の見守りを怠ってしまうなんて──。ひっく……(酔っぱらっている)。
「もう、ケーキ切りたいのに下りてこないねぇ。あの2人……」
「はははっ、お別れのイチャイチャが終わんねぇんじゃねーの?」
「えー、華ちゃんまだ小学3年生だよ!そんなことないって」
璃香子さまと晃良さまの会話で、一気に目が覚めた。
足元をよろよろさせながら、慌てて2階にある泰良さまの部屋へと向かう。
ただでさえ、あのバカ泰良さまのせいで私のお嬢様が酷い目に合わされてしまった。
許せる事柄ではない筈なのに、お嬢様に甘い奥様はお優しいから、寛大な対応をしてしまうし。
ここは、私が厳しく監視をしなければいけならないと、心に決めたばかりでしたのに。
「…………いら、お願いよ?」
「………うわ、…やめ……」
しっかりと閉じたドアの向こうは静まり反って、かすかに話し声が聞こえてくる。
まさか、バンコクに行く前に泰良さまがお嬢様に手を出すなんて事があったら、どうしましょう!?私は田渕家の執事失格です。
「お嬢様!!!!大丈夫ですか!?」