こいろり!
「うひゃー、愛しの華ちゃんから?相変わらず長文だねぇ」
後ろから赤司が覗き込んでくるから、パッとスマホの画面を消した。
「赤司、お前だろ?華花に情報流してんの」
「えー、俺、何のことか分かんねーな」
「毎日、毎日、学校で何してるかと凄げー細かく送られてくるんだけど?お前しかいねーだろ!!」
赤司のスマホを奪って、メッセージアプリを開くと、華花宛のメッセが表示された。隠し撮りの俺の写真付きで。やっぱり、犯人はコイツだ。
「おい、人のスマホ勝手に見んなよ!」
「時間割から給食のメニューまで把握されてる身にもなれよ!?」
「俺、華ちゃんと友達だしー。今日の泰良は何してるかしら?って毎日くるんだぜー。面白れーじゃん!」
ひゃはははと笑い声をあげる赤司が、俺の肩にガシッと手を回してきた。
「泰良ってば水臭せーよなぁ、俺に内緒なんてさぁ。無事に華ちゃんと恋人になったんだって?お、め、で、と、う♡」
「……ぐっ、」
ニヤニヤとする赤司が、耳元で囁きフッと息を吹き掛けくるから、何故か屈辱的な思いになる。