こいろり!
02.お嬢様との出会い
「お前、2年だよな?なんだよその頭はさぁ」
「その目付き、メチャクソ、生意気なんだよっ」
校舎裏のごみ捨て場の建物の後ろはとにかく雰囲気が悪い。
目の前には同じ制服を着る男子生徒が2人。
上履きの色から3年。
人気がない死角になっているその場所は、普段 生徒は通らない。教師も滅多にこない。
気付いても仲裁になんてこないだろう。
胸ぐらを掴まれてグイッと持ち上げられると同時に、壁にぶつかり背中に鈍い痛みが走った。
「わりーわりー、手が滑っちまった」
うひゃひゃひゃ、と下品な笑い声がその場に響き渡る。1人に後ろから両腕を押さえられ、もう1人が拳を振り上げた。
口の中に血の味が広がっていくから、内側の肉が切れたんだろうな。
「ごめんなー、こいつ手癖悪くてさぁ」
「あー、また手が滑っ…」
────ガン!!!
今度は頭に鈍く震えるような痛みが走る。
俺がクソ3年の顔面を頭突きしてやった痛みだ。
「1人じゃ喧嘩もできねーんすか?先輩として恥ずかしいっすねぇ」
あー、ムカツク。コイツら自業自得だよな?ニイッと自身の口元を緩めてパキッと指の関節をならした。