こいろり!
07.悩める少年
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「……………いら、起きて」
「………んー、」
「もう、朝よ!泰良、早く起きてちょうだい!」
夢見心地の中、ゆっくりと目を開けると華花が俺の上に乗っていた。
え、なんで華花が?
しかも、中学の制服を身にまとう成長した華花だ。
「制服?はぁ?」
「何言ってるのよ?早く起きて学校へ行かなきゃ遅刻しちゃうわよ」
「意味分かんねー。なーんで、お前が俺のベッドにいんだよ!」
「えー、駄目なの?どうして?」
上に跨ぐ華花が上目使いで俺を覗き込んでくる。
伸ばされた手が背中にぎゅっと回された。
「ねぇ、泰良。おはようのちゅーは?」
「あぁ?」
「それとも、朝からしちゃおっか?」
華花が目を細めて、クスクスと笑う。
制服のリボンを外して、ボタンが1つ2つと──
「泰良!!起きなさい!!今日こそは遅刻しないで学校に行って貰うからね!母さんもう中学校から電話もらうの嫌だからね!早退もしてくんじゃないよ!!」
母ちゃんの怒鳴り声が、俺の部屋に響き渡った。