こいろり!
「それで、泰良は華ちゃんって子のことで悩んでるの?」
「はい、罰ゲーム開始~」
「あぁ?別に悩んでねーよ。あっちが勝手にまとわりついてくるだけで、俺関係ねーし」
「例えばさ、その華ちゃんって子の夢見て悶々としてるとか?」
何で分かるんだよ、とポカンと口を開けてれば、赤司がマジかよ?と目を丸くして俺に視線を向けた。
「ば、ばっか、そんな夢見るわけ……」
「分かる分かるー、好きな女の子の夢って見ちゃうよね。ベッドの上に乗ってくるとかベタなシチュエーションとか想像しちゃうよね!」
「……は?あぁ???そんなん見るかよ!ふざけんな!勝手に決めつけんなよ!!」
赤司も完全に面白がってて、ケラケラと声に出して笑っている。
「でもさー、いつも授業中寝てる泰良がさ。今日はボーッと心ここにあらずだったから何かあったのかなって思ってたんだけど、そういう事だったんだね」
「マジ?俺気付かなかった。そうなん?」
さすが、利瑛。俺や赤司なんかより経験があるだけ見てるところが違う。
「……利瑛はさ、別に好きじゃなくても、こう……ムラッとしたりするのか?」
学校の教室ということもあり、より一層声のトーンを落とす。