こいろり!



「ふはっ、知ってるー」

「えっ、えっ……華ちゃん??告白?」


肝心の泰良には笑い飛ばされるし、隣の赤司にはギョッと目を丸くされるし。

何がそんなにおかしいのよ、と怒りたくなるけど。




「ねぇ、泰良。ちょっと(かが)んでくれるかしら?」

「えー、やだよ。お前 屈んだら何すっか分かん……」


柵の外に両手を伸ばして、泰良の腕を掴んで、無理やり下に引っ張った。

泰良がバランスを崩すよう腰が折れたところに、思い切り背伸びをする。


その冷たい頬に、自分の唇を押し当てた。




「慰めじゃないわよ!……か、可愛い年下の女の子から、キスされた気分はいかがかしら?」


そのまま、後ろに尻もちをつく泰良の姿を見下ろして腕を組む。
泰良はぼんやりと私を見上げて「うーん……」と首を傾げた。



「マジかよ!?華ちゃん、こいつ、酔っぱらってる時の記憶って曖昧だぜ?」


赤司が頬を染めて慌てて口にするけど、どうして反応するのは赤司なのかしら。



「いいの、赤司。まだ、いいのよ」


これから大人の女性の体型になって、もっともっと背も胸も大きくなるんだもの。

そうしたら、泰良に好きになって貰って、泰良からキスをして貰うの。


だから、それまで待っててくれるかしら──?







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