こいろり!
そのまま会話を続けながら3人で教室を出ると、廊下で騒いでる声が耳に入る。
「あれうちの委員長じゃん?うわー、絡まれてんなぁ……」
赤司の言葉に目を向けると、同じクラスの委員長が2人の先輩男子に囲まれていた。
委員長はビクビクしてるし。明らかに何か脅されてる様子で、ズボンのポケットから財布出しちゃったしさぁ。学校の廊下で何やってんだよ。
ったく、しょうがねーなぁ。
「コイツに何の用っすかー?」
委員長の肩に手を回して、3年の先輩にガンを飛ばしてやる。
「なんだ、お前。誰だよ?」
「つーか、その頭 2年の加賀美かよ」
3年の1人がビビるように俺の顔を見た。
俺の名前でビクつくなんて、たいした奴じゃねーな。
つーか、見た目 黒髪で真面目そうなのに、こういうのが恐喝とか逆に陰湿だな。
「あぁ?俺、コイツと遊ぶ約束してんすけどー。もういいっすかー?」
俺が低い声を出して3年を睨み付けると。
「おい、泰良。喧嘩はやめとけって」
「委員長こっちこっちー」
面倒くさそうな赤司の声と、ヒョウヒョウとした利瑛の声が続く。
「も、もう、行こうぜ」
「なんでだよ?おい、2年 邪魔すんなよ!」
3年の1人が逆上したように大きな声をあげて、俺の肩をグイッと掴んできた。