こいろり!



「外国の方なのかしら?」

「違うわ、おばあさま!泰良は元々は黒髪なのよね?そういえば、どうして金色にしたのかしら?」

「んぁ?あー……、赤司……友達と派手にしようかってノリと勢いでさー」

「今時の若い子は凄いのねぇ」

「はっ、私見たいわ!黒髪だった泰良を見たいわ!今度見せて欲しいわ!」

「あらあら、華花ちゃんは本当に泰良くんが好きなのねぇ」

「そうよ、大好きなの!だって私たち恋人同士だもの!」



「…………っあ、あぁ?」


なんだこれ。
真っ直ぐな曇りのない瞳を向けられるから、一瞬ぐらりときた。

好きか嫌いかって聞かれたら、まぁ、嫌いじゃないからこんなままごとみたいな茶番に付き合ってるわけで。
可愛いと思わなければ、こんなとこまで来ていないけど。





「ふふ、おばあさまったら恋バナとか好きなのよね!昔、私が好きな男の子できたと言ったら、その時もとても嬉しそうに聞いてくれたのよ」


すぐ隣に座る華花が俺の服の袖を掴んで、下から覗き込んできた。


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