こいろり!
「さぁ、次はアレよ!!」
「……マジかよー、ちょっと休もうぜ」
華花が俺の腕を引っ張るけど、頭がくらくらする。連続乗りしたせいか体がふらふらしてその場にしゃがみ込むと、華花が不思議そうに俺を見下げた。
「泰良、どうしたの?気分が悪いのかしら?」
「お前のせいだよ!ったく、ガキはタフだな」
「まぁ、大変!ここで待ってて!!」
と華花が言って、近くのベンチに座らされ、売店で冷たい飲み物を買って渡される。
吐きそうとまではいかないけど、お嬢様のくせに意外と気がきくじゃねーか。
「冷てー、すっきりするわ」
ズズッとジュースを啜れると、さっきまでの気持ち悪さが少しマシになった。
「ふふっ。弱ってる泰良、可愛いわ!!」
「あぁん?普通さー、絶叫マシンは連続して乗るもんじゃねーんだよ」
「そうなの?じゃぁ、お詫びに膝枕してあげるわ!!」
隣に座る華花がニコニコと自身の膝を叩くけど。
「えー、やだよ」
「泰良のケチ。遊園地で具合が悪くなったらベンチで膝枕って決まってるのよ?」
はいはい、大好きな少女漫画ね。
目を輝かせるこいつの申し出を断れば、あからさまにしょんぼりと肩を落とす姿が目に入る。
優しさって何だっけ?美魔女の顔が思い浮かんで、しょうがねーなと小さな息を吐く。
「………んーまぁ。じゃー、どうも」
ベンチの上に寝転がって、華花の小さな膝にコテンと頭を乗せた。