君は,君は。
「後期同じ班になって,班長の俺結構助けられたりして……良く話すし,可愛いなって思って…」



梨々香は,私ともよく話してくれる。

中学に上がってから知り合った友達の1人。

嫌な感じが全く無くて,ふんわりの茶髪で,色白で,垂れた目が可愛くて…

何よりすごく優しい。

そして良くモテるけど,彼氏はいない。

私はいつの間にか,首を瑞希の方に向けて立っていた。

言葉が出ない代わりとでも言うように,目は丸々と開いている。

見たくないのに,聞きたくないのに。
これじゃあ何がほんとか分からない。



「ったく,誰にも言うな…よ」



ふいに目が合う。



「「あ……」」



お互いに気まずい顔。



「ぇ…と」



何て言おう,あやまる? それとも誰にも言わないよって言えば良い?

瑞希のことが好きな私が?

どんな,顔……で……?
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