君は,君は。
いや,相手役がいるから更に引き立つとも言えるけど。
「ね? ね?」
まさか漫画を知っているだけでなく,彼の良さを分かってくれる人がいるなんて!
「あ,うん。スマートで,かっけぇと思う……けど,ちょっと近い」
あからさまにテンションの上がる私に,瑞希は掴まれていない方の手のひらを私に向ける。
「え?」
…。
…え?
たっぷり間を置いて,私はゆっくりと離れた。
ふるふると,両手を顔に持っていく。
「ごっ…ごめん,なさい…」
死に,たい。
「ふっ…唯って,結構照れ屋なんだ。っは,面白っ」
ぶふっと吹き出す瑞希。
「ちょっと…!」
「ん,じゃあ。おすすめは?」