君は,君は。
「まじ!? あー。でも急に渡したらあれだよな……たまたま唯に聞いたって言ってもい?」

「うん。いいよ」



指をいじいじ。

瑞希はテンションが上がったり下がったり大忙し。

意外に堅実なところは見ていて楽しい。



「俺金あったっけ? ま,取り敢えず本買ってくるわ」

「…いってらっしゃい?」



お金あるか分からないのに本優先していいの?

瑞希って変だ。

2人で2階に上がると,瑞希はさっそくお菓子やら文房具やらを見て回る。

目がキラキラしていて,だけど真剣に選んでる様子を見て,私はちょっと複雑。

2重にも3重にも重なった理由から。

ひとつでも減らしたくて,私は瑞希に気づかれないよう,梨々香にLI⚪Eを入れた。

でもそれは,決して瑞希を裏切るものではないと思ってる。
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