君は,君は。
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なんで,こうなったんだろう。

そんな風に思う私は,結局瑞希の家まで来ていた。



「入んないの?」
  


と瑞希に急かされて,私は一歩足を踏み入れる。



「お邪魔しま~,す?」



人の家って,その人の家だって匂いがして,不思議。

何となく辺りを見渡していると,どたばたと家の奥から音がした。



「お帰り~早かったね! …あれ?」

深月(みつき) ,お客さん。俺の友達」



リビングらしき所のドアから顔をひょこっと出して,一人の男の子が走ってくる。

ちっちゃい…!

分かっていた筈なのに,思わず目を丸くした。

そして,その子に軽く返事をした瑞希は,簡単に私を紹介してくれた。
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