君は,君は。



「初めまして。唯です。よろしくね」



子供相手だと,ちょっと気が抜けるな。

私は初対面にしては,幾分柔らかく声をかけれたと思った。



「深月!」

「うん。よろしくね」



その子は私が返すと,嬉しそうにはしゃぐ。



「唯。俺の部屋2階だから」

「あ,うん」



瑞希の声に反応すれば,深月くんは残念そうな声をあげた。

その様子が,小さくてもやっぱり瑞希の弟で,私は



「また後でね」



と声をかける。



「ほんと!?」



と言う深月くんは,やっぱり可愛い。

うん。それくらいの時間は,多分あるよね。



「ほんとだよ」



私たちは,一旦そこでお別れになった。
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