君は,君は。



はぁいと返事をすると,瑞希は電気ケトルの電源をカチッといれた。

いい音っ。

それがまた小気味良くて,私は1つ笑みをこぼす。

カップ麺が出来上がるのを待つこと3分。



「……」
「……」



何故に無言?

なんか居たたまれない。



「唯なんかしゃべって」

「え,えー。」



同じこと,思ってたみたい。

ーブブブ

あ…。



「LI⚪Eじゃね?」

「そだね。んー,でも。公式とこかもだし」




私は曖昧に笑う。

見た方が良いような,まだ忘れていたいような。



「どうせ出来るまで時間あるし,取り敢えず見たら? 友達とかでも俺気にしねぇし」

「うん。ありがと」



ここまで言われて,見ない方が変。
だよね……?
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