君は,君は。
『梨々香
 相手言わないでくれたらいいよ👌 ……』



やっぱり。

通知を見るだけで,全部分かった。

全文を見るために,私はページを開く。



⚪ 『相手言わないでくれたらいいよ👌 でも誰のことかは言わないでね🙏 』



終いに『ありがとう』という可愛いスタンプが送られてきた。

やっぱり,私が言うのか。

タイミングとか,分かんないのに……

今でもいい?

チラッと瑞希を見る。

瑞希はそんな視線に気づいて,不思議そうな顔をした。



「あっあのね,瑞希……」



言いかけて,あっと思う。

まずは返信返さなきゃ。



『り』



そんな一言分でいいから。

時間が欲しかった。
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