君は,君は。


瑞希は,どんな反応するだろう。



「瑞希,許可貰ったから言うけど」

「うん」



瑞希の顔が見れない。



「梨々香,好きな人いるの」

「……そ」

「もっもちろん瑞希の話は伏せてあるよ。私,知ってたから」

「それで?」



私をじっと見つめる瑞希。



「可哀想だと思って?」

「そうじゃ,なくて」



ほんとにちがくて。

確かに“知らないまま”頑張るのは可哀想だと思うけど,そうじゃなくて。

ただ



「諦めるにせよ諦めないにせよ,知ってるのと知らないの,違うかなって思って。私が黙ってられなかっただけなの」

「ん,分かってる。心配になって尻叩いてくれようとしたんだろ?」

< 57 / 89 >

この作品をシェア

pagetop